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2015年5月24日日曜日
県立高校統合を巡るこれまでの経緯
2011年/平成23年7月、滋賀県教育委員会は「滋賀県立高等学校再編基本計画案」を公表します。これにより、北高と長高を統合するという県教委の方針が明らかになりました。
北高OB/OGは猛反発し、「長浜北高を守る会」を結成。精力的な反対運動を展開します。結果的に、統合そのものを阻止することはできなかったものの、北高卒業生の力と団結を強く印象付ける結果となりました。この歴史を決して忘れてはなりません。改めて、この時の反対運動にご尽力された諸先輩方に敬意を表するとともに、以下、県立高校統合を巡るこれまでの経緯を振り返り確認したいと思います。
2011年/平成23年7月の県教委による「滋賀県立高等学校再編基本計画案(以下、基本計画案)」の背景には、急激に進行する少子化がありました。即ち、県内の中学校卒業者数は、1990年/平成2年3月の20747人をピークに減少を続け、2012年/平成24年3月の卒業者数は14226人にまで落ち込むに至りました。実に、6521人もの減少です。
基本計画案の発表に先立ち、県教委は、2008年/平成20年に「県立学校のあり方検討委員会」を設置、さらに、2010年/平成22年には「第23期滋賀県産業教育審議会」を開いて、県立高校の改編に向けて準備を進めていました。
基本計画案では、「特色ある学校づくりの推進」と「学校活力の維持向上」を基本に、1学年6から8クラスを標準規模としました。学級数の小さな高校では部活動や学校行事等で制約が生じ、学校活力が低下するというのがその理由です。その上で、県下全日制高校46校のうち4校を対象とする県立高校の統廃合を打ち出しました。私たちの母校・長浜北高校はその4校の内の1校になってしまいます。長浜北高と長浜高校は、2014年/平成26年度に統合される予定であることが明らかになったのです(他に、彦根西高校と彦根翔陽高校も同年度に統合予定として発表されました)。
「北高は長浜高校と統合され、新校の校地を長浜高校に置く...」、県教委のこの案は両校の関係者を驚愕させました。北高の卒業生からは母校と校舎がなくなるという失望感から強い反発の声が上がります。計画案が発表されるや北高OB/OGを中心に「長浜北高を守る会」が発足。また、長浜市長や市議からも唐突な計画だと反対意見が出され、県教委に基本計画案の白紙撤回を迫りました。彦根市からも強い反対意見が出たこともあって、平成23年10月の県議会は「少なくとも今後1年以上の時間をかけ、更に慎重な検討を続けるよう、強く求める」との決議を全会一致で行いました。
広範に及んだ反対運動と県議会の議決を受けて、2011年/平成23年11月、教育委員会は県立高校再編計画策定を1年延期することを決定しました。一方、長浜市は県教委に市民の意向を盛り込んだ提言を行うため、同年12月に「長浜の未来を拓く教育検討委員会」を設置、翌2012年/平成24年6月、再編計画策定の手続きに関する第1次提言を行いました。さらに、9月には、新校のビジョンを盛り込んだ第2次提言を発表しました。
2012年/平成24年10月1日、再度、県教委は、県立高校再編計画案を発表します。統合される4校に変更はないものの、統合時期を原案(基本計画案)より2年遅らせ、2016年/平成28年度としました。長浜統合新校の体制については、1学年8クラスの普通科単独の進学校で、英語教育のモデル校とすると発表されました。さらに、開校後5年を目途に運営実績を見て「中高一貫教育校」を設置、校地は現長高の敷地を当て、校舎は新増築されることになりました。この新たな案は、かなりの程度長浜市の提言を取り入れたものでしたが、市が要望していた校地(JR長浜駅北の近江セーレン工場跡地)は認められませんでした。県教委は県内各地で県民や保護者に計画案の説明会を実施。12月20日、臨時教育委員会は県立高校再編基本計画を正式に決定しました。
その後、県教委は、長浜統合設置懇話会を設置し、北高及び長高の関係者を含むメンバーによって統合新校の校名・校章・カリキュラム他をめぐる議論を行ないます。ところが、長浜統合新校の校名について、これを「長浜北」とする県教委の推薦案が発表されると、長高関係者は強く反発し、同窓会を中心に校名案の白紙撤回を求める動きに出ます。長浜統合新校の設置懇話会も中断を余儀なくされます。旧校名を採用すべきではないという長高側の主張に対し、長浜統合新校の校名「長浜北」は旧校名ではなく「長浜」と「長浜北」の校名が一体となったものであるとの主張も展開されました。紆余曲折を経て、2015年/平成27年3月、滋賀県議会は長浜統合新校の校名を長浜北とする案を含む県立高校再編に関する条例改正案を可決しました。
その後、懇話会が再開されるものの、校章・校歌をめぐる議論でまたもや紛糾し中断。懇話会での軋轢は2016年開校目前の統合新校の先行きに暗雲を感じさせる状況となっています。
以上、私たちの母校長浜北高と長浜統合新校をめぐる直近数年間の経緯を確認してきました。
改めて思うに、本当に大切な事、あるいは、わたしたちが立ち返らなければならない原点は、在校生こそが主役なのだと言う事以外にありません。なぜなら、今まさに母校の歴史を刻んでいるのは彼ら彼女らに他ならないのですから。この原点を忘れる事無く、新しい母校で学ぶ在校生が優れた教育をうけ、その人格を陶冶し、母校が輩出してきた多くの優れた人材にも劣らない社会人となる、そのための確かな母体となる学校を作ってほしいと思います。
2016年/平成28年にスタートする統合新校が、母校百年の伝統をしっかりと受け継ぎ、更に飛躍し発展するよう切に願ってやみません。
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